東京医科大学の医学総合研究所は、東京医科大学の研究力の向上のため平成22年に設立されました。その後、研究所は付置研究所の組織となり、平成30年度より林由起子学長が所長に就任され現在に至っています。
さて、本学のような医科大学の使命は、改めて述べるまでもなく「臨床」、「研究」、「教育」の3つの要素を高度に実践し、社会貢献をする事であります。その中で医学総合研究所の役割は「研究」の領域において極めて重要な役割を担うものと考えます。そして、研究力の向上は大学の足腰をささえるものと考えます。
さて、昨今橋渡し研究の重要性が社会的にもいわれ、各大学でTLOが設置され、シーズの発掘が大学内で重要視されています。また、産学連携が活発なアメリカのシステムと比較され、産学連携の為の組織構築を含めて様々な議論が行われています。本学でもAROの機能をもった、臨床研究センターが設置されました。しかしながら、革新的な新薬、治療技術の発展には、まずは基礎研究こそが第一です。抗体医薬品、分子標的医薬品、核酸医薬品、CART療法は、いずれも地道な基礎研究から生まれたものです。そこで、医学総合研究所は、今あらためて研究の重要性を考えて活動していきたいと考えています。関係者各位の皆様方のご支援をお願い申し上げます。
医学総合研究所 副所長
黒田 雅彦