ゴルフは不思議なスポーツです。
300ヤード飛ばしても「1打」、30cmのパットも「1打」です。
100を切れないゴルファーの「壁」は間違いなくパターの打ち方の悪さにあります。
今回は初心者・中級者の方が必ずスキルアップする「パッティングの打ち方」完全攻略編です。
パッティングにちょっと悩んでいる方や、もっとカップイン率を上げたいという方にきっと役に立つ内容になっています。
打ち方にはコツがあるので、ヤマカンで打っている人は永久に上達しません。
まず攻略法を理解し、不調になったときに読み返すだけでパターの実力がメキメキ上がるでしょう。
パット上達の絶対的な3条件を身につければパットが入りやすくなるはずです。
その3つとは…
①ギアの知識はありますか?:
自分に合わないクラブを何年使っても確率は上がりません。
②握り方や構え方が間違っていませんか?:
あなたのパットにミスマッチしていることがメンタル面のプレーシャーになります。
③グリーンを正しく読んで正しいストロークをしていますか?:
ラインの探し方がわからない、ストロークの強弱が間違えているようでは「マグレ」以外にボールはカップに落ちないでしょう。
パッティングは本当に奥深いものです。
世界中のプロもアマも、生涯かけて取り組んでも到達しきれない世界にあります。
あなたがもし初心者なら、まずは正しいパットの打ち方を知ることから始めましょう。
パターの正しい打ち方を手っ取り早く学びたい方へ
パターの握り方や打ち方をこのサイトで詳しく紹介していますが、最も効率のいい方法はプロに見てもらうことです。
手っ取り早くパターの打ち方の改善を望む方はゴルフスクールに通うことをお勧めします。
その中でも群を抜いて実績を残しているのがRIZAPゴルフです。
全国各地にスクールもあり、まさに結果にコミットするという意味でもおススメできます。
パターを成功させるグリップの握り方と構え方は?
パッティングは、「入れたい」という”願望”と「入らなかったら・・・」という”恐怖”が表裏一体となっています。
トッププロであっても1~2m以内のパットには緊張感が走ります。
よく「シビレるパット」といいますよね。ガチガチにシビレる方に不足しているのが「知識+練習+経験」です。
人間は知ることで恐怖を払しょくし、練習で培った自信が安心感を生んでメンタル面の負担を少なくします。
パッティングで「恐怖」ばかり感じていると、やがてイップスになります。
イップスはパッティングで手が動かなくなる金縛り状態のことです。
パッティングは技術もさることながら、メンタル面の闘いでもあるのです。
では、パッティング率が上がる握り方、構え方、体の使い方など、パターの打ち方の基本をまとめていきましょう。
【イップスって何?】
パターはグリップの握り方と構え方が大事!
ひとホールごとにカップインさせるパッティングは、すべてのホールの締めくくりです。
1パットだったのか、2パットだったのか、あるいはもっと打ってしまったのか、18ホールを競えばそこにスコアの違いが出ます。
まずパターに関する、基本的な握り方や構え方を知らないと何も始まりません。
ドライバーやアイアンなどにはスイングの理想形があります。
しかしパターにはそういう意味の理想的なスイングとか法則もありません。
つまり1万人のゴルファーがいると1万通りのグリップや打ち方があっていいのです。
自分にベストの握り方、構え方、打ち方の基本を見直すことで、パターはうまくなりスコアアップに繋がります。
しかもパッティングの上達には、パターの形状、振り方、構え方などをバラバラで覚えても有効ではなく、相互の相関関係を知らないと困ることがたくさんあります。
ベストなパッティングは、あなた自身がスッと自然に立ててスイングできることです。
では、上手な人は具体的にどんなコツを知っているのか、順番にご紹介しましょう。
【パターの持ち方と打ち方の基本】
パターには不向き?オーバーラッピング・グリップの握り方
一番よく見かけるパターの握り方が、”逆(リバース)オーバーラッピング・グリップ”といわれるグリップです。
まず右手を添えます。その右手の小指の上あたりに左手の人差し指が乗る形になります。
多くの例では左手の親指を右の手の平の中に抱く形になります。
ゴルファーの中には通常のショットで用いる”オーバーラッピング・グリップ”で握る方もいます。
それに慣れてしまった場合は別として、パッティングは距離を求めないという点では初心者の方にはあまりおススメしません。
パッティングにはパッティング用のグリップで練習しましょう。
【第四のグリップを試せ】
プロに人気!クロスハンドグリップの握り方
左手が下にきて、右手がグリップ・エンド側に来るタイプがあります。
これは逆ハンド・グリップという総称で呼ばれ、英語ではLeft hand low Gripといいます。
近年、数多くの方が使いこなし、プロゴルファー間でも大人気になりました。
前述のリバース・オーバーラッピングの握りを逆にするとこの形になります。
よく耳にする「クロスハンド・グリップ」がこれです。
クロスハンド・グリップの特徴は?
このグリップの特徴は、左手が下に来るポスチャー(アドレスの姿勢)になるため、体が開いてしまう癖のある方にとっては、右肩が下がりにくくなるという長所があります。
【クロスハンドグリップ練習法】
独自のスタイルが続々と!新スタイル「クローグリップ」の握り方
グリップに対するゴルファーの貪欲な気持ちが、数え切れないほど多くのニュースタイルを生み出しています。
そのひとつで代表的なものが、写真のクロー・グリップ(Claw Grip)です。
左手は通常の持ち方でも、右手の親指と人差し指の間にシャフトを挟むもの、人指さし指から先の4本全部を伸ばすもの、引き金を引くように曲げるものなど、ちょっとずつマイナーチェンジしたスタイルもあります。
クローは、鷹の鉤のように鋭く曲がった爪とか蟹のはさみなどに語源がある言葉です。
このグリップは、2000年を過ぎた頃、イップスに悩んでいたクレイグ・スタドラー(ケビン・スタドラーの父)が最初に使い始め原型を作りました。
クロー・グリップは、指の感覚とボールをヒットするときの「タッチ」を重要視しています。
近年流行した中尺(ベリーパター)や長尺のパターを使う選手は、やはりこのクローグリップの変形を工夫してプレーしています。
【クローグリップの基礎・コツ】
パッティング率を挙げる打ち方のコツと改善点は?
パットは、まったく奇抜な構え方をするゴルファーもいますし、すべてアリです。
ただし、初心者はまず基本からスタートすべきで、原則に無頓着なままではおかしなクセがついてしまって、後に修正するにしても多大な時間と労力がかかります。
【パッティングの基本】
パッティング率を挙げる正しいアラインメントを知ろう!
ゴルフのスイングで重要なポイントは次の2点です。
- 何回でも同じスイングができる、リピートできること
- シンプルでやさしい打ち方
パッティングに限らず、ややこしい打法は不安定になりミス率が上がります。
そのためには、「アラインメント(打ちやすい位置関係)」というテクニックを使います。
もっとも打ちやすい並び(アラインメント)とは
左眼(右打ちの方がカップに近いほうの目)→ボール→狙うカップ
上記3点がピタッと一直線になるのが、もっとも打ちやすい並び(アラインメント)です
アタマの位置を後方にずらすとか、最初から首を左右に傾けたり右肩を下げるなどのややこしいアラインメントは、パッティング率を下げるだけです。
映画などで、狙撃手(スナイパー)が銃身と照準器と眼をピタッと一直線に合わせて動かないシーンを思い出してください。
それがもっともシンプルで高確率パッティングのお手本になります。
【パターの基本】
パッドはヘッドスピードの安定感が重要!
パターヘッドの動き方は非常に重要で、振るたびに一定しない軌道では入る確率が下がります。
またヘッドスピードも常に安定感が求められます。
毎回スピードを大幅に変える人は、常にボールをヒットする力加減に頼ることになってしまいますが、人間の力の入れ加減ほど信用できないものはありません。
インパクトの力が不安定だと距離もイメージ通りにはなりません。
一番安定する打ち方はストロークの幅を調節することです。
プロゴルファーの統計を見てもテンポを変えずに振り幅で対応するタイプが好成績を上げています。
また動かし方が早ければ早いほど、動体視力と運動神経と中枢神経と動かすべき筋肉の再現性が要求されます。
松山英樹プロのパッティングは、ゆっくりと、まるで見えないメトロノームでも置いてあるかのようなテンポで一定しています。
優れた運動神経の彼でさえ、一定したテンポで1mmも幅から逸脱しない軌道を反復させることで、「タッチ」の正確さを求めています。
初心者が見習うべきストロークのヒントがそこにあります。
【松山英樹選手のパッティングスタイル】
パターの芯を打つ!
パターという道具には、必ず芯(スイートスポット)があります。
「フェース面すべてがスイートスポットです。」というキャッチフレーズはどうかと思いますが、たしかにウエート調節などで広げることは物理的に可能です。
一方、打たれる側のボールにも重心という芯があります。
お互いが当たる瞬間、その相互には3~4cm以上の距離が生まれます。
パター・ヘッドが衝突するとき、ふたつの重心を結んだ線自体がとんでもない方向を向いていたらイメージ通りにボールが転がることはないのです。
これこそ方向と距離を決める絶対的な条件で、ターゲットラインに対して芯を外したら「オール・オア・ナッシング」、全部アウトということになってしまいます。
【パター上達のためのポイント】
打った直後にカップを見ない!
パッティングのアドレスに入った時に、「カップにコトンと落ちた音が聞こえるまではアタマを回転させない。」という打ち方があります。
ジョーダン・スピースやアニカ・ソレンスタムなど、一部の例外的なプレーヤーもいますが、やはり難しい打ち方だけに好不調の波が激しくなります。
この打ち方を会得していない初心者は、パターとボールが当たる前にカップを見てしまうのです。
眼が動けば頭も肩も動いてしまいます。
するとフェースの向きが開いたり閉じたりして芯を外し、狙ったラインに乗らないミスパットの原因になるのです。
「打ったボールの行き先を見たい。」という心理は当然ですが、そこはシッカリ抑えましょう。
”パッティングは左の耳で行え”という名言はそのことを意味しています。
【パッティグの打ち方のコツと練習法】
パッティングは「使う部位と使ってはいけない部位」がある
ゴルフのすべてに通じることですが、特に繊細さが要求されるパッティングでは絶対的なポイントがあります。
それは
「使う体の部位は、両肩から手首までの腕部分だけと目玉のみ」
ということ。
それ以外を数ミリ動かしただけでも、パターの芯に当たるときには数ミリのずれが出ると思っておいてください。
わかりやすい表現をしましょう。
壁にかけたハンガーが風に揺れている様子を浮かべて下さい。
首の後ろの一点が不動で、ハンガー(両肩)は対照的に左右に揺れています。
あなたの残りの体の部位はすべて壁です。
特に大事なのは下半身です。
【パターがうまくなるには胸を動かそう】
パッティングがうまくなる打ち方のポイント2つ!
これまでグリップの握り方やポスチャーのイロハをご紹介しましたが、最後にそれぞれの理論をまとめて解説していきます。
カップのサイズは10.8cmあり、ボール二個以上の幅があるので打つ強さを考えると数通りのラインが存在しています。
パッティングは打ち出しの強さと方向だけの問題ですからシンプルシンキングも大切なことです。
【ミスパットを防ぐ方法】
パッティングに重要!グリーンの傾斜、ボールの転がり具合を読むコツ
パッティングはこれまで解説した基本を理解することと、グリーン上では読みが合って強さが合えば必ず入ります。
上りなのか下りなのか?右に曲がるのか左なのか?
パットはラインを読むといいますが、正しくは「ラインを探す」と表現したほういいかもしれません。
それでは、いざ打つときの「読み」のコツを覚えましょう。
これがわからないと転がりのスピードがつかめません。
ラインを読むときのコツは次の4つです。
ラインを読むときのコツ
①グリーンに上がる前、歩きながら離れた位置から全体傾斜を見る。
これを知らない初心者はたくさんいます。
グリーンに上では、広さと同色の芝生と自分の平衡感覚のずれがあって、アンジュレーション(起伏)の錯覚という設計者の罠にはまります。
②ボールとカップの高低差。(上りか下りか、複合しているか)
コツは、縦で見るとわかりにくい傾斜も少し離れて横方向から眺めるとわかりやすくなります。
③左右の傾斜の確認
グリーンのどこにマウンド(高い場所)があるか、低い谷はどこにあるのか、あるいは尾根のようなところはないかということです。コツは、グリーン面に水を流すとどうなるかという等高線をイメージすることです。
④芝目を読む。
順目と逆目は芝の反射でわかります。芝生の比較的明るいところは順目で、色が濃い場所は逆目です。
【ラインの読み方】
②パッティングの距離を合わせる手順
方向と距離が合わないとカップには入らないのがパッティングです。
しかし人間の神経は、一度に複数のことを考えると神経が混乱するようにできています。
初心者の方へのワンポイントアドバイスは、方向より距離が優先すると考えることです。
打つときに距離と方向を同時に考えるとミスしやすいので、きちんと打つまでのルーティーン(順番)を決めておきましょう。
打つまでのルーティーンポイント
- ラインを決めるのはアドレスに入る前
- 構える時は、決めたラインに合わせてパターのフェースを置く
- 打つときは「距離」以外のことを考えない(最重要)
パッティングが上達しない人の多くは、2で決めた方向を、打つときもずっと引きずってしまうこと。
打ち出しの方向を決めたら、打つとき100%距離感だけ打つのがコツで、それができるとあなたは100の壁を破れるでしょう。
【パッティングの距離の合わせ方】
パターの練習法、グリップの握り方と打ち方・まとめ
パターが自分に合っているかどうかの相関関係はとても大切なことです。
もちろんパターだけの話ではないですが、パターほど形状も重さも長さもマチマチなギアはありません。
そして、クラブの形状別の特徴を理解していないと、パターそのものを選ぶこともできません。
詳しい解説は「パターの選び方」をご覧ください。
ここでは最近流行の「マレット・タイプ」に限定した打ち方のヒントに触れておきます。
①マレットタイプなら、ある程度重さを感じるほうが安定して使いやすい。直進性のあるタイプなので、フェース・ローテーションをする方は少し削ってヘッドを軽くした方が開閉しやすくなります。
②マレット型のパターでもっと操作性の良いものに改造したいなら、もっと細めのグリップに交換すると良いでしょう。マレットに流行りのファット・タイプ(極太)は相性が良くありません。
③マレットタイプのグリップは、(使う人によりますが)オーソドックスな逆オーバーラッピングが合っているでしょう。できるだけ手首を使わないような打ち方が振り子の原理通りまっすぐ振れます。
パッティングの練習は地味でつまらないからといってショットの練習ばかりでは、100切りの道を歩むことはできません。
パッティングは練習の場所を選びませんから、自宅の畳でも絨毯でもできますね。
ひたすら1~1.5mを打ち続けるだけで間違いなく良くなりますよ。
【パター基本レッスンまとめ】